亜鉛メッキとクロメート処理

クロメート処理とは、メッキするものを六価クロム液に浸漬させて、クロメート皮膜を形成させることをいいます。クロメート皮膜は目的によって光沢クロメート、有色クロメート、黒色クロメート、緑色クロメートの4種類があり、用途によって選択することになります。

クロメート処理の特徴として、皮膜中に含まれる六価クロムの量によって耐食性が異なることが挙げられます。皮膜中に六価クロムが多く含まれている皮膜ほど、耐食性が優れるほか、皮膜に傷がついて破壊された場合にも六価クロムが多いほど修復性能が高くなります。しかし、六価クロムは有害な物質でもあり、三価クロムを用いた化成皮膜が開発され用いられるようになってきています。クロム濃度が高いほど排水処理に負担もかかります。

六価クロムによる黒色クロメート処理に相当する三価クロムによる化成皮膜は開発の途上にあり、クロムをまったく用いることがないタングステン酸、セリウム、タンニン酸を用いた化成皮膜も検討されています。